持続可能な社会への貢献と製造業の未来をサポートする3M、技能職を支えるエンジニアの想いとは
2023年12月15日

製造業における社会課題と、3Mの取り組み
日本の製造業は現在、少子高齢化による労働人口の減少や作業の負荷の大きさ、それらに起因する人材不足をはじめ、さまざまな課題を抱えています。
3Mは世界規模で喫緊の課題となっているメガトレンドに対し、サイエンスの力を活用しながら社会課題の解決に貢献することを目指しており、社会を支える製造業に従事する「Skilled / スキルド(技能職)」の方にも、3Mの製品やソリューション、独自のサポートを通じてコミットしています。
3Mは技能職をグローバル・コミュニティと経済にとって必要不可欠な存在であると捉えており、米国の3M社を中心にManufacturing Dayに合わせ、製造部門の人びとの貢献を称えるイベントを毎年実施しているほか、今年はドキュメンタリー「Skilled」を配信し、4人の技能職に焦点をあて、その多様性や選択肢の幅広さ、どのようなやりがいや充実感が得られるのかを紹介しました。

※ここでの技能職とは、主に製造業において、長期間の経験や熟練度、専門知識が重要とされる現場で、スキル(技能)が必要な業務にあたる職種を指します。

3Mが支える、日本のものづくりの現場
3Mでは、アプリケーションエンジニア(以下、AE)という独自のポジションで活躍するエンジニアが中心となり、お客様をはじめとする技能職の方々を支えています。AEはお客様ごとの課題やニーズに応じたきめ細かい提案やトレーニングを行うなど、技術的なサポートをミッションのひとつとしています。
また、製品に対するユーザーの声をグローバルの製造開発部門にフィードバックすることで、製品の開発や改善に繋げています。
本ストーリーでは、研磨材製品と車輌用ラッピングフィルム製品を担当する2名のAEの働きに焦点を当て、3MのAEが技能職の方々に提供しているサポートについて紹介します。                                                                      

 

研磨材製品技術部
アプリケーションエンジニア(AE) 小野 桂史郎
<Profile>2020年4月に新卒入社し、現在4年目。新卒から研磨材製品技術部のアプリケーションエンジニアとして、主に製品を導入する際の技術的なサポートを行っている。

(小野)3Mの研磨材製品事業部は「セーフティ・ビルト・イン」を掲げ、現場の安全衛生を守る大切さを啓発すると共に、「騒音」「振動」「粉じん」を少なくするといった作業者の負担軽減や作業の効率化に役立つソリューションの提供を行っており、人手不足の現場においての課題解決に貢献しています。

研磨材といっても種類はさまざまで、例えば金属加工の現場で従来から良く使われている「オフセット砥石」は、汎用的な製品の1つです。3Mではさらに、研磨スピードに特化した「ファイバーディスク」という、生産性の向上だけでなく、技能職の方々の負担軽減や現場の安全衛生の改善に貢献できる製品もあります。
こうした特長を網羅しながら、お客様の作業内容や用途に合わせて、実際に現場で使われている製品との性能を比較するデータを取り、より現場に適したものを提案するのがAEの仕事です。
製品を提案するだけではなく、研磨材の寿命を延ばしたり、作業効率を高めたりするための使い方のトレーニングを含めた、現場に寄り添った技術的なサポートをしています。

研磨作業は、火花を散らしながら3キロ以上のグラインダーを動かし、時にはそのグラインダーを持ち上げて頭上で作業を行うこともあるとてもハードな仕事です。お客様からも、技能職の人材不足という課題をよく伺います。
3Mは作業時間の短縮による効率化やコスト削減などに加え、作業をする技能職の方々の安全衛生の観点を含めた製品や作業方法により、現場の負担を改善し、より快適な研磨作業を提供していきたいと考えています。

日頃仕事をする中で、実際に3Mの製品を使っていただいた技能職の方に「この製品はすごいね」「作業がとても楽になった」「残業時間が少なくなった」といった声をかけていただいたことがあり、自分の活動がお客様の課題を解決した瞬間に立ち会えた時にはとてもやりがいを感じます。
研磨作業を含む技能職は、社会を支える必要不可欠な仕事だと思います。今後も引き続き、技能職の方々がよりよいかたちで研磨作業ができるよう、AEとして貢献していきたいと考えています。
また、よりお客様にとって必要な製品が出せるよう、グローバルの開発部門に技能職の方々の声を届けていきます。

 

【3Mの同僚の声】
研磨材製品事業部
マーケティング部 百井 修一

Q. 研磨材の分野において、AEが提供する知見や技術にはどういったものがありますか?
(百井)研磨の業界では技能職の人材不足が課題であることは共通認識ですが、私たちはさらに作業にあたる際の安全衛生環境について、実はお客様自身がこの課題に気づいていないケースも多いと感じています。作業上の怪我へのリスクについては対策が取られていますが、長期的なリスクである騒音・振動・粉じんの身体への負担といった観点です。

3Mはこれらの問題に正面から向き合い、課題提起を行っています。AEが旗振り役となり、例えば粉じんの量など現場のリスクを定量的に計測して示し、その対策を提案することで現場の潜在的な課題を解決しています。

Q. 3MのAEならではの、技能職の方々との関わり方について教えてください。
(百井)3MのAEは、プロフェッショナルであるお客様と深いところまで話せる技術的な知識を持ち、お客様の定性的な声を定量的なものに変換できることが強みです。
製品のユーザーである作業者の方々からのフィードバックが「良い/悪い」といった定性的なものである場合には、AEが効果的な質問をしながら明確にすること、立ち合いテストなどを通じてデータで定量的に効果を示すことができます。
3M製品を使用した効果について定量的にデータを用いてまとめることで、お客様自身が社内へ報告する際に役立ったという嬉しいご連絡をいただいたこともあります。
また以前にAEが中心となり、研磨作業現場における「騒音・振動・粉じんの課題と研磨材を通じて出来る対策」のウェビナーを実施した際は、動画などのコンテンツがお客様からとても好評でした。

Q. 技能職の方々との取り組みのなかで、印象的だったことはありますか?
(百井)私は溶接の現場に関わることが多いのですが、技能職には自分の仕事に誇りを持ち、品質やクオリティに妥協しない姿勢やこだわりを持っている方が多く、スキルを高めようと努力を続ける方々と関わると非常に前向きになり、たくさんの刺激をいただきます。
お客様の多くは、人材不足・高齢化といった状況や、製品納期も厳しい現場が多いため、生産性を向上しなければいけないという課題意識を持っています。生産性を上げることで企業価値を高めようというトップの姿勢に対して、現場も一丸となり、3Mとしてもよりよいソリューションを通じてサポートすることで結果に繋がったときには特にやりがいを感じます。

 

コマーシャルブランディング&トランスポーテーション技術部
アプリケーションエンジニア(AE) アドバンスドスペシャリスト 池田 伸二
<Profile>コマーシャルブランディング&トランスポーテーション技術部で、サイン・グラフィックス市場や車輌用ラッピングなどで使われるフィルムのアプリケーションエンジニアとして用途開発を行っている。

(池田)私が担当するのは車輌向けのラッピングフィルムです。ラッピングの対象は乗用車から鉄道と、趣味から産業用の広告用途や公共交通機関の用途まで幅広く、ラッピングフィルムを扱う技能は今や社会を支えるひとつと言っても過言ではないほど、私たちの生活に根付いています。

3Mは、技術と歴史に裏打ちされた高品質なラッピングフィルム製品を提供しています。例えば、貼りたい場所に正確に貼れるように接着面を動かしながら位置決めができる3M™ コントロールタック™ 粘着剤の機能、空気溜まりを防ぐエア抜けの特殊加工、施工中にフィルムの表面に傷をつけないための保護フィルム層など、技能職の方々がより簡単に、より早く、より美しく施工できるよう設計されています。
これらの製品の特長を最大限に活かせるよう、私たちAEはお客様と直接コンタクトをする技術者として、フィルムの知識から施工方法までのトータルサポートを行っています。

現代においてラッピングフィルムが使用される場面は実に多様で、塗装からの代替や車輌の保護など、目的や貼る対象に違いはありますが、共通する課題は「フィルムの取り扱い方に関する知識」と「貼る技術」です。
私たちAEは、技能職の方々がスムーズに製品を利用できるよう、使用するフィルムの種類や用途に応じてお客様ごとにカスタマイズしたトレーニングを提供しており、全ての方にプロフェッショナルな技能を習得いただくことを目指しています。
フィルムを触ったこともなかった方が、このトレーニングを通じてプロフェッショナルとなり、現場で活躍されていることは誇らしく、私たちにとってもモチベーションになります。

最新の技術を活用することは、技能職の方々の負担を軽減することや新しいイノベーションにも繋がります。例えば、以前は塗装が一般的であった鉄道の外装をフィルムに置き換えることで、課題となっていた作業行程や養生にかかる時間が短縮され、作業場所の確保や作業効率、外装の耐久性の観点でも利便性や効果が向上しています。
また、カーラッピングは乗用車の保護や意匠性を持たせるという新しいビジネスとして、オートアフターなどの現場で立ち上げが進んでおり、2013年にはカーラッピングの技術者の育成と、信頼できる技術の証明を目的に、乗用車をフルラッピングするために必要な施工テクニックをトレーニングして技術者を認定するシステム「4-star施工技術者認定システム」を立ち上げ、新たなビジネスの立ち上げや雇用創出の一助となっています。

フィルムによる塗装代替など、3Mのサイエンスと技術の結晶である製品やソリューションを持って、お客様を通じながらさまざまな社会課題の解決に繋がっていることを実感しています。
AEとして、技能職の現場をつなぐ架け橋となり、現場作業の効率化や作業負荷の軽減など、3Mのお客様に対する効果を最大化するために尽力していきたいと思っています。
これからも現場の技能職の方と一緒に課題の解決に向け、3Mならではの付加価値を提供しながら、社会に対してより一層貢献していきたいです。

 

【3Mの同僚の声】
コマーシャルブランディング&トランスポーテーション事業部
マーケティング部 マネジャー 大築 涼

Q. 車輌用ラッピングフィルムの分野において、AEが提供する知見や技術にはどういったものがありますか?
(大築)車輌用ラッピングフィルムは、部分的なラッピングに対応した製品まで含めると10種類以上もあり、お客様が適切な製品の選択するために技術的なサポートを行うこともAEの活躍の場のひとつです。
例えば、作業性、色あせやはがれなどのフィルムの耐久性、原状復帰ができないなど、お客様が抱えている課題に対し、AEは目的や施工対象に合わせた最適な製品を技術的な観点から提案し、施工方法のサポートまで行います。

Q. 3MのAEならではの、技能職の方々との関わり方について教えてください。
(大築)AEは3M製品の技術的な知識のみならず、実際の施工者である技能職の方々と同等に語り合える現場の感覚と施工面のノウハウを持っています。お客様の課題に関して、技術的な話になるとAEが間に入ることでお互いに理解が進みます。
また、トレーニング中も単なる製品説明ではなく、技能職の方がどのようなことに注目しているかを考えながら説明の仕方をその時々で変えるといった細やかな工夫をするなど、現場の課題の解決に大きな役割を果たしています。
現場の技能職の方にとっても、マーケティングを担う私にとってもなくてはならない存在だと思います。

Q. 技能職の方々との取り組みのなかで、印象的だったことはありますか?
(大築)技能職の方々は好奇心が旺盛で、新しい技術や知識を吸収していくことに非常に前向きだと感じることが多いです。自分たちの仕事に役立つことやより良くするにはどうすればいいかを考え、常に新たなスキルやアイデアを求めている姿勢を尊敬しています。
トレーニングで日本全国を周って技能職の方々とお話させていただくと、一定のスキルを持っているプロフェッショナルでありながら努力し続ける姿勢がかっこ良く、私も仕事への熱い想いを改めて感じます。

 

脱炭素への3Mの取り組み
3Mは、製品開発やAEによるサポートで支えるだけでなく、製品の生産過程や施設においても脱炭素やカーボンニュートラルへの取り組みに力を入れています。
グローバルの活動として、2021年には、2050年までにカーボンニュートラルを達成するという取り組みを含め、環境目標を加速するために今後20年間で10億ドルを投資すると発表しました。3Mは、温室効果ガス排出量が2002年のレベルから79%減少し、2019年のレベルからも38%減少していることを誇りに思っています。
3Mの脱炭素化の原動力のひとつは、再生可能エネルギーへの移行を加速させていることです。2050年までに再生可能エネルギーによる電力を100%使用することを約束しており、2022年末には51.9%を達成し、予定よりもかなり前倒しで進んでいます。

3Mは、これからも技能職のサポートといったソリューションの提供や、お客様と自社の事業運営における私たちのサステナビリティのコミットメントに向けた活動など、持続可能な社会に向けて貢献し、製造業の未来をサポートしていきます。

 

【3Mについて】
3M(本社:米国ミネソタ州)は、サイエンス(科学)が明るい未来を創造すると信じています。人びと、アイデア、サイエンスの力を解き放つことによりさらなる可能性を模索し、世界中の社員がお客様、地域社会、そして地球の課題を解決するために取り組んでいます。人びとの暮らしを豊かにし、「これから」を創り出すための3Mの活動は3M.com/newsをご覧ください。3Mジャパングループについてはnews.3mcompany.jp/news-centerをご覧ください。

 

3M、コントロールタックは3M社の商標です。
プレスリリースに掲載している内容は発表時点の情報です。
最新の情報とは異なる場合がございますので、あらかじめご了承ください。

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