気候変動に関する日本人の意識調査 ~「3M State of Science Insights」より~
2024年03月19日

4月のEarth Month(アースマンス)を前に、3Mがグローバルで実施した科学に対する意識、地球との関連性、社会への影響を継続的に把握することを目的とした調査「3M State of Science Insights(ステート・オブ・サイエンス・インサイト)」(以下、本調査)から得られた、気候変動に関する日本人の意識調査の結果を紹介します。

日本の調査結果の主なポイント:

  1. 90%近くが気候変動に対応することへの重要性を認識している一方で、若年層の「特に意見はない/気にしない」という比率が調査対象10カ国中で最も高い結果に
  2. 80%が気候変動は人類にとって最大の脅威になると認識
  3. すでに気候変動の影響を感じていると答えた割合がグローバルより高く、ブラジルと並んで調査対象10カ国中トップに
  4. 「異常気象」が気候変動のもたらす影響の最大の懸念事項に。大気、水への影響を懸念する人は他国より少ない
  5. 「カーボンフットプリント」の理解度が調査対象10カ国中で突出して低い結果に
  6. グローバル共通で「クリーンな交通手段」が最も認知度の高い気候変動への対応策

 

調査結果の詳細は以下の通りです。

  1. 90%近くが気候変動に対応することへの重要性を認識している一方で、若年層の「特に意見はない/気にしない」という比率が調査対象10カ国中で最も高い結果に

「気候変動への対応はどの程度重要ですか?」との問いに対し、「とても重要」「ある程度重要」と回答した人は合わせて87%に達し、グローバル平均の90%とほぼ変わらない結果となりました。
しかし、年齢別にみると「特に意見はない/気にしない」と回答した18-34歳の若年層が13%にのぼり、調査対象の10カ国中で年齢別にみても唯一10%を超えています(グローバル平均5.1%)。

 

  1. 80%が気候変動は人類にとって最大の脅威になると認識

「気候変動は人類にとって最大の脅威の一つである」という問いに対し、80%(グローバル平均81%)が「強く同意する」「ある程度同意する」と回答しました。本問においても、35-54歳、55歳以上に比べ18-34歳の回答者が同意する割合は低く、13%(グローバル平均6.6%)が「わからない/特に意見はない」と回答しました。また、4分の3以上の人が「科学は気候変動との闘いに不可欠な役割を果たすことができる」、「科学は気候変動の影響から人びと/地球を守るのに役立つ」と回答し、人びとの気候変動に対する科学への期待値の高さが伺える結果となっています。

 

  1. すでに気候変動の影響を感じていると答えた割合がグローバルより高く、ブラジルと並んで対象国10カ国中トップに

「あなたの地域社会が気候変動の影響を受けるのはいつ頃になると思いますか?」という問いに対し、半数以上(53%)の人が「すでに影響が出ている」と回答しました。これはブラジル(53%)と並び世界で最も高い割合となっており、グローバル平均(43%)を10%も上回る結果となりました。

 

  1. 「異常気象」が気候変動のもたらす影響の最大の懸念事項に。大気、水への影響を懸念する人は他国より少ない

「気候変動がもたらす影響で懸念しているもの」の上位3つには、台風や洪水などの「異常気象(67%)」、「気温や気象パターンの長期的な変化(43%)」、「気候の変化に起因する健康問題(37%)」が挙がりました。「異常気象」を挙げた人の割合はグローバル平均の52%を上回りました。他方、「大気の質の低下(17%、グローバル平均29%)」「清潔な水の不足(18%、グローバル平均34%)」「将来の世代の生活の質の低下(15%、グローバル平均22%)」が調査対象国中で最も低い結果でした。本調査では、他の調査対象国に比べ、日本においては、大気や水の質については大きな懸念事項として認識している人が少ないという結果になりました。

 

  1. 「カーボンフットプリント」の理解度が調査対象10カ国中で突出して低い結果に

カーボンフットプリント※1という言葉について、どの程度知っているか質問したところ、59%(グローバル平均19%)が「聞いたことがない」、33%(グローバル平均32%)が「聞いたことはあるが詳しく知らない」と回答し、9割以上がよく理解できていないことが判明しました。グローバル平均の51%を大きく上回る結果となり、世界の認識との差が大きく開いていることが分かります。特に欧米諸国のイギリス、フランス、ドイツでは「聞いたことがない」の答えが軒並み5%前後と低く、内容を詳しく知らずとも一度はカーボンフットプリントという言葉を耳にしていることが明らかになりました。上記の結果2、3のように、日本では気候変動の影響に対する危機意識が高まる一方で、グローバル平均と比較すると、気候変動に関連する用語への理解度が低いことがわかりました。さらに本調査では、回答者のほとんどがカーボンフットプリントの数値が低い企業に対して好意的(49%)または中立的(42%)な印象を抱いていると答えています。

※1カーボンフットプリントとは、個人、組織、プロセス、製品、イベントなどが特定の境界線内から大気中に放出した温室効果ガス(GHG)※2の量を指します。多くの環境イニシアティブは、気候変動対策として二酸化炭素排出量を中和、除去または削減することを目指しています。
※2二酸化炭素、メタン、亜酸化窒素、特定の合成化学物質などの温室効果ガスは、地球から放出されるエネルギーの一部を閉じ込め、大気中の熱を逃しません。

 

  1. グローバル共通で「クリーンな交通手段」が最も認知度の高い気候変動への対応策

「気候変動に対処するための手段として知っていること」についての問いに、「とてもよく知っている」「ある程度知っている」と回答した人を合わせた割合が最も高かった項目は「クリーンな交通手段(自転車、公共交通機関、電気自動車(自動車、バス、電車を含む))」の65%で、同項目はグローバル平均でも78%と最も知られた対応策として挙げられています。国内では次いで「再生可能エネルギーと燃料(風力発電、太陽光発電、グリーン水素)」の63%、「廃棄物の削減(再生可能な材料、プラスチック使用量の削減、堆肥化可能な材料)」の54%となりました。順位に若干の違いはあるものの、これら3項目はグローバル平均でも上位3つに挙げられており、さらに日本の回答者の「気候変動に対処する手段としてより詳しく知りたいこと」の上位3つにも挙げられています。また、カーボンキャプチャー(炭素回収)の定義を読んだ後は、67%(グローバル平均74%)がそれを支持すると回答しました。

 

【調査概要】

  • 調査名称:3M State of Science Insight(3M ステート・オブ・サイエンス・インサイト)
  • 調査期間:2023年12月13日から2024年1月10日
  • 調査対象:日本(1,006)、米国(1,000)、イギリス(1,002)、中国(1,001)、フランス(1,000)、ドイツ(1,000)、韓国(1,000)、カナダ(1,001)、メキシコ(1,000)、ブラジル(1,003)の10か国から各国18歳以上の成人男女、計1万13人
    *本調査は、3M社が世界的な調査会社であるMorning Consult社に委託して実施しました。
    *95%の信頼区間では、誤差幅は、グローバルの10カ国レベルで+/- 1パーセント、各国ごとに+/- 3パーセントです。

【3M State of Science Insights(ステート・オブ・サイエンス・インサイト)とは】
3Mは、グローバルにおける科学に対する意識、地球との関連性、社会への影響を継続的に把握する目的で、意識調査を実施しており、今年で7年目となります。
本調査では3Mが科学に対するグローバルおよび各国における意識を調査することで、科学の発展を促し、イノベーションにおけるリーダーとして世界的な話題やトレンドに対応した科学に基づく高品質なソリューションを提供する企業としての立ち位置の確立にも寄与するものです。
注意事項:本調査は今年で7年目となりますが、本年度は調査実施期間の変更に伴い、対象調査国(昨年は17カ国)や調査方法等が変更されています。そのため、本年の「3M State of Science Insights」のデータと、昨年までの調査である「3M State of Science Index」のデータを比較することはできません。

【3Mについて】
3M(本社:米国ミネソタ州)は、サイエンス(科学)が明るい未来を創造すると信じています。人びと、アイデア、サイエンスの力を解き放つことによりさらなる可能性を模索し、世界中の社員がお客様、地域社会、そして地球の課題を解決するために取り組んでいます。人びとの暮らしを豊かにし、「これから」を創り出すための3Mの活動は3M.com/newsをご覧ください。3Mジャパングループについてはnews.3mcompany.jp/news-centerをご覧ください。

3Mは3M社の商標です。
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