スリーエム ジャパン株式会社(本社:東京都品川区 代表取締役社長:伊藤 誠)は 11月11 日(火)に日本における高所作業の安全対策をテーマとしたメディア説明会を開催しました。
建設や製造業、通信、航空機メンテナンスなど、高所作業は幅広い産業で行われており、労働災害を防ぐためにも安全対策を徹底することが求められています。規制面の強化も進んでおり、厚生労働省による政省令の改正に伴い、2019年に高さ2m以上の高所作業でのフルハーネス型墜落制止用器具(以下、フルハーネス)の使用が原則化されました。これは、胴部のみで落下衝撃を受ける胴ベルト型墜落制止用器具(以下、胴ベルト)に比べ、肩ベルトや腿ベルトなどの複数箇所で体を支えることのできるフルハーネスは落下時の衝撃を分散し、より安全性が高いとされているためです。一方で、一般的な建設作業の場合は5m以下、柱上の作業等の場合は2m以下、その他で6.75m以下の高さでは条件により胴ベルトの使用が許容される場合もあり※1、安全性の観点からはフルハーネスの着用が望ましい現場であっても、胴ベルトを着用する現場がまだ多くあります※2。
3Mがグローバルで行った調査※3によると、日本の回答者の77%が「安全な職場環境を整えるのは雇用主の責任」と考えています。法令を遵守するだけでなく、現場の環境に合わせて安全な作業環境を整えることが雇用主に求められていることが分かります。
今回の説明会では、世界で墜落防止用製品を85年以上提供してきた3Mが、高所作業の現場の実態と安全対策の基本を改めて解説するとともに、胴ベルトとフルハーネスの保護性能の違いを実験映像などで示しました。また、適切な製品選択と使用方法によりフルハーネスを2m以上のどの高さでも使用できることを説明し、安全意識の向上と正しい運用を呼びかけました。
また、フルハーネスを着用して吊り下げられる、「宙吊り」状態(救助を待つ状況)の体験会も実施し、参加者からは「フルハーネスでも負荷を感じる。胴ベルトで救助を待つのはかなり厳しいのでは」といった声が寄せられました。
あわせて3Mは、2026年の事業方針として、来年発売予定のマンホールや原材料タンク等の作業で活用できるコンファインド・スペース(閉鎖空間)向け安全・救助対策ソリューション・製品も紹介しました。セミナーやデモンストレーションを通じた教育・啓発活動も、例年よりも強化していきます。
◆鉄鋼処理産業株式会社で安全対策を担当する設備部 設備係長の岡住 隆之氏のコメント
「弊社では、高さに関わらず2m以上の高所作業において、フルハーネスの着用をルール化しています。そのきっかけになったのは、3Mが弊社の敷地内で行ってくれた、デモトラックでの人形の落下実験です。実際に人形が落下する様子を目の当たりにし、胴ベルトだけで落下時の衝撃を受け止めるのは危険だと感じました。作業者の安全を守るため、今後もより安全な作業環境の整備に取り組んでまいります」
◆スリーエム ジャパン株式会社 安全衛生製品事業部の牛山 紘郎のコメント
「胴ベルトと比較した際、墜落制止時、そして救助を待つまでのフルハーネスの保護性能の優位性は明らかです。にもかかわらず、高さ6.75m/5m以下の現場に関するヒアリングや営業活動での感触では、なお約半数の作業者が胴ベルトを選択しています。これは、『高さ6.75m/5m以下の作業現場では胴ベルトが推奨されている』と勘違いをしていたり、『フルハーネスを6.75m/5mの高さ以下で使うと必ず地面に到達してしまう』といった誤解があったりすることが背景にあると考えています。保護性能や製品選択・使用方法への理解を広げることで、万が一の墜落時にも、より低い負荷で救助を待てるフルハーネスの着用促進に今後も継続して啓発を取り組んでいきます」
※1 背中の肩甲骨高さにランヤードを接続するフルハーネスと、腰高さにランヤードを接続する胴ベルトでは、性能が同程度のランヤードを使用した場合に、胴ベルトの方が約50cm落下距離が短くなると試算されているケースがあります。高所作業箇所により墜落時に着用者が地面に到達するおそれのある場合の対応として、胴ベルトの使用が認められることがあります。(現場条件や器具構成により異なります)。
※2 3Mが作業者や安全担当者へのヒアリングをもとに試算した結果、高さ6.75メートルまたは5メートル以下の作業現場では、約半数が胴ベルトを着用しています。
※3 3M State of Science Insights(ステート・オブ・サイエンス・インサイト):3Mが科学に対するグローバルおよび各国における意識を調査することで、科学の発展を促し、イノベーションにおけるリーダーとして世界的な話題やトレンドに対応した科学に基づく高品質なソリューションを提供する企業としての立ち位置の確立にも寄与する調査です。本調査はMorning Consult社にて、2024年11月から12月にかけて、10か国(米国、イギリス、カナダ、ドイツ、フランス、ブラジル、メキシコ、中国、日本、韓国)の一般人口サンプル10,959人を対象に実施しました。インタビューはオンラインで行われ、各市場の一般人口のターゲットサンプルに近づけるようにデータが重み付けされました。各市場での完全な調査結果の誤差範囲は+/-3パーセントポイントです。
3Mは3M社の商標です。
<製品に関するお問い合わせ先>
スリーエム ジャパン株式会社
https://www.3mcompany.jp/3M/ja_JP/fall-protection/products/
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